〜 店舗の成績を共有して対策を打つ 〜
ビジネスコンサルタント
小澤 富士男
生産性向上の為にクラウドシステムが有効であることはよく言われています。そこでネットショップを運営している店舗にとって身近なクラウドシステムであるネットショップ運営ツールを使って、情報共有の生産性を向上させて、店舗の売上アップをはかる方法を紹介します。
店舗の運営において、売上の落ち込みなどの変化があった場合、その原因を調べて対策を打っていきます。原因調査には、店舗の基本情報から考えられる原因を推測し、仮説を立てその仮説を立証する情報を集めて分析していくことになります。基本情報とは落ち込んでいる売上を構成している要素になります。ネットショップでは、来店客数、購買率、客単価の3つが基本情報に該当します。この3要素をかけたものが売上になるので、どの要素が変化して売上減になったかを調べる事が分析のスタートになります。
実際の店舗では、この3要素の数値をそれぞれの月で集計するだけでも大変な作業になります。それでも、分析のためには欠かせませんし、その数値をコンサルタントなどと共有して分析を依頼します。
ネットショップの場合は、これらの数値はネットショップ運営ツールが取得してくれます。集計の単位も一日、一週間、一ヶ月、一年など自由に設定して確認できます。また、その要素がいつから変化したのかを掴むこともでき、その要素が減少した原因の仮説を立てることが容易にできるのです。また、これらの数値はネットショップ運営ツールを使えば、外部の人とも共有できます。経営の支援を依頼しているコンサルタントにツールを利用できる資格を与えるだけで、いつでも情報を共有できるようになるのです。
これにより現場では、数値の採取、期間集計そしてメールなどでの報告が不要となるわけで、ネットショップのクラウド管理ツールを使うことにより、売上成績管理の生産性が一気に向上します。
具体的には、コンサルタント向けにIDを発行してツールを利用できるように設定します。
クライアントシステムのツールを使うには利用のためのIDが必要です。最初に発行されるのは管理者用で、そのIDでログインすると、全ての操作が行えます。そしてツールに備わっている社員や関係者にIDを発行する機能を使って、コンサルタントもツールが使えるようにします。発行するIDにはネットショップの運営そのものが行える資格と、単にネットショップの売上成績を閲覧するだけの資格などがあります。もちろんコンサルタントには来店客数、購買率、客単価などを見ることができる閲覧資格のみを与えるようにします。
これでコンサルタントは、自分の都合のよい時間にツールに入って分析の為に必要な数字を見られます。分析を依頼する店舗側で数値を集計したり、送ったりする必要がないわけです。
このようにネットショップ運営のクラウドシステムは、売上分析の為の数値取得と受け渡しの生産性を劇的に向上させます。これにより分析にしっかりと時間をかけられるようになり、売上アップにつながれば、トータルの生産性をさらに上げることになります。
もちろん、コンサルタントとの契約が終了した時には、ネットショップツールの利用者IDを削除してしまえば、契約期間外に店舗の成績を見られたりすることはないので、情報管理コストの生産性も向上させるになります。
また、ネットショップの分析で得た知見を、実店舗にも当てはまるのではないかと推測して対処を行うことにより、実店舗の売上向上にも結びつけることができます。